
近藤建設工業が目指すこと

私たち近藤建設工業は不動産開発や建築という枠にとどまらず、「場の価値を最大化する」というミッションを軸とした事業展開を進めています。私たちが手がけたいのは、ただの“建物”ではなく、人とまち、人と自然、人と社会の関係を再構築し、その関係性の中で生まれる価値を最大化する“場所”です。

近藤建設工業では近年、「ランドスケープ」と呼ばれる概念から土地・建物を捉え直し、実際の不動産開発に活かしていくことにチャレンジしています。
ランドスケープ(Landscape)とは、本来「風景」「景観」を意味する言葉ですが、学問的な領域としては、人間が関与するあらゆる空間環境(都市、郊外、自然、農地、公共空間など)を対象に、それをどう捉え、計画し、デザインし、保全・再生していくかを探究する分野です。単に植栽や景観を整えるということではなく、建物とまちの関係性、人と自然の関係性を丁寧にデザインすることを意味します。

公園でコーヒーを飲む人。その体験は突然公園から始まったものではなく、その前にカフェに立ち寄り、町を歩いて公園に辿り着いているはずです。さらにその前に、電車に乗ったかもしれません。人の生活行動は、そんなふうにつながっていて、境界線がないのです。ランドスケープの視点から見るなら、そうした自然な流れを分断しないよう、公園のコンセプトと設計を考えます。
一般的な庭や公園などは、開放的な場所のようで実は概念的には内側に閉じており、土地の境界線までがその公園であることが前提につくられています。この「分ける」感覚をできるだけ排除し、外とのつながりをより豊かにしていくのがランドスケープの概念です。
日本の社会は今、空き家の急増という大きな課題に直面しています。私たちはそこに、“再生”という可能性を見出し、チャレンジしていますが、それは単なるリノベーションではありません。ランドスケープを取り入れる目的は、古い建物や空間に新たなコンセプトを設け、いまの時代に合った体験や価値をつくり出すことにあります。



関係性や体験といった価値は、すぐに数字で示せるものではありません。「広場をつくるとテナントが減るのでは?」「建物の外構に予算をかける意味は?」といった疑問には、常にぶち当たることになります。
これらは確かに一見すると“非効率”に見えるかもしれません。けれども、長期的には地域全体の魅力や地価を引き上げ、人が集まり、愛される場所になる。それが結果的に、経済的な価値にもつながる。実際に、いくつかのプロジェクトで付加価値アップや満額での売却、入居者満室といった成果を積み重ねてきました。
そこには、「いい物件だな」「ここに住みたい」「この場所でお店を開きたい」と人々に思わせる“見えにくい価値”が確かに存在しています。そうした価値をブランディングや情報発信を通じて可視化していくことも、私たちの大切な役割だと考えています。
不動産は、土地と建物の組み合わせ。だからこそ、可能性は無限にあります。私たちは、「見えないものをつくる」「まだ存在しない価値を提示する」ことに、これからも挑戦し、その変化をより面白くする会社でありたいと思っています。