現在の家具等に合せたプランだと、導線や採光、全体の調和に何らかの支障が出てきます。
どうしても処分できない調度品は作りつけクローゼットなど家具の中にいれることによって目につかないように。
キッチンだけをリフォームし、その後にお風呂だけをリフォーム。
両方の工事にはそれぞれ多種多様な職人さん(大工/電気/ガス/水道/キッチン/内装仕上/コーキング等)が関わることになって結果的にキッチン、お風呂それぞれに対して全ての職人さんの人件費が必要になり割高になります。
一般的にお客様は現時点の生活を基準に考えてリフォームプランを決められることが多いようです。しかし、今健康でも人間は必ず老いて来ます。10年後、20年後の生活や人生プランも考えて、プランを立てましょう。目先にとらわれるとリフォームを繰り返してしまうことになってしまいます。
リフォームには大まかに2種類の工事があります。機能的リフォームと装飾的リフォームです。
機能的リフォームは古くなった間取りや機器の交換工事等で、装飾的リフォームはインテリア重視で文字通り装飾し、美しく見せる工事です。この二つが相生じると複雑になり生活しにくいプランに成りがちです。まず譲れない条件を見極めましょう。
キッチンを例にあげてみましょう。
オープンキッチン(キッチンがダイニングの一部になっている)の場合はキッチンその物もインテリア家具となるので装飾的なものを選ぶことをお勧めしますが、クローズキッチン(キッチンが独立して一個の部屋になる物)の場合は、外から見えにくい部分を装飾して予算を割くよりも、その予算でキッチン性能を充実させるほうをおすすめします。
例えば「キッチンだけは良い物を、他は既製品を安価でコーディネート」のように妥協できる場所、できない場所によって予算バランスを整えるといいでしょう。
見えるところ(什器類、クロス、フローリング等)は交換補修が簡単に出来ますが、見えない所(床下配管、換気扇ダクト、電気配線)等は補修が難しいのでリフォームの際にこだわりましょう。
例えば電気設備、分電盤など旧一般住宅ではメインブレーカー40A(ELB)が通常ですが、幹線径が可能なら60A(ELB)に交換するのをおすすめします。
設計者はお客様の生活パターンを把握し、導線プラン間取りプランを提案します。
例えば、お若い御夫婦の依頼の場合、数年後にお子様の事を考える必要が出てくるかもしれません。
リタイア後の御夫婦の依頼の場合、現在は必要ない手摺も数年後には必要になる可能性があります。
その場合工事費を最小で済む様に、間取り換えをしやすい設計にしておいたり、予め壁面に補強を入れておいたりする必要があります。
設計者は設計のプロですので、現時点では見えにくい点もアドバイスいたします。
設計者はお客様の予算、要望を把握し、実際にリフォーム可能範囲を絞り込み最適なプラン提案します。
もし、要望がぼんやりしていると最適なプランが提案できないかもしれません。
しっかりと「予算」と「要望」設計者に正確に伝えることがリフォーム成功の第一歩です。
他社数社にお見積もりを取るのはいい事です。
その際は内容も相談できる設計者を決めてから工事内容の見積りを取るようにしましょう。
見積りを取る時は同一数量、同一機材等の同じ条件でのお見積もりを取ることが、より正確です。
会社によって得意不得意なメーカー等があるので、価格だけで決めるのは危険です。
価格だけでは無く、設計者を決めてからならその見積りの内容も相談することができるので、きちんとした内容を把握できるようになります。